皆様方におかれましては輝かしい新春をお迎えのことと、謹んでお慶び申し上げます。

さて今年は、すべての国民が否応なく体験させられる二つのビッグイベントが待っています。一つは、五月一日から始まる元号改正です。思えばかれこれ三十年前、昭和生まれの我々が初めて体験する元号改正がありました。テレビ画面に、「平成」と墨で書かれた二文字を掲げ持つ小渕恵三官房長官の映像が、今でも鮮明に記憶に残っています。しかしあの当時に漠然と感じていた変化に対する不安感は、あとになってみればそれほどのことでもなかったと思えるものでした。おそらく今回も、大した混乱もなく受け入れられていくことなのでしょう。そしていずれは昭和、平成、??の三つの時代を生き抜いてきた世代だと自慢することになるのかもしれません。さて、新しい元号は何という文字になるのか?想像して楽しむことにいたします。さてもう一つ、十月一日から始まる消費税増税の方はそうもいきません。こちらについても平成二六年に5%から8%への増税を経験してはいるものの、今回はおまけに軽減税率という未体験の制度がくっついています。これからの社会保障費を補填するために増税はやむを得ないことだとは思いますが、当分の間この軽減税率のことではトラブルが続くのではないかと危惧するところです。経済界からも本制度の見直しを要望しているところですが、果たしてどのような形でスタートするのか、注視して参りたいと思っています。
話は変わりますが、最近この年頭所感を申し上げる際に心に浮かんでくることの一つが、毎年続く大災害の被害のことです。もちろんこれまでも地震や台風の被害はありましたが、昨今の傾向は、予測もしない地域で想定をはるかに上回る被害をもたらす災害が毎年続いていることです。これを自然災害だから仕方がないと諦めるのは、間違いではないかと思うのです。これほどテクノロジーが進歩した時代に、何故こうなのか?もしかしたら、人口減少や少子高齢化などが、被害拡大の一因になっているのではないか?例えば、森林や田畑などを守る労働人口が減少し、地球環境を壊したり局地的な被害の拡大につながっているのではないか?大規模な土砂崩れや河川を反乱させるのは、保水力を失わせる土地利用と流れ出すおびただしい量の廃材が、真の原因ではないかと思うのです。そのことから、地域にとってのさまざまな負の事象を見つめ直してみると、少子高齢化や労働人口の減少が大きな要因になっていると思えてきます。
当所の基本的な役割である地元中小企業を支え、地域経済を活性化させるという目的を達成するためにも、地域の人口減少を食い止めようとする様々な試みが、着実な成果を出してくれることを願うばかりです。
年頭にあたり、当所はこれからも市や県、国とも連携して佐伯市の発展のために様々な分野で尽力していく決意でありますので、これまでと変わりのない皆様方のご協力を、よろしくお願い申し上げます。
おわりになりますが、今年が皆様方にとりまして最良の一年になりますことを心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。